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ただ割るだけの、薪割りのススメ
薪ストーブを楽しむために欠かせない、薪。「薪作りなんてしたことがないし、面倒だから」と、憧れの薪ストーブのある暮らしを諦めていませんか? 確かに山から丸太を切り出すことから薪作りを始めたら、とても大変。
考えただけでも嫌になってしまいます。でも丸太を40cmぐらいの筒切りにした、玉切りの木を薪に割るだけだったらいかがでしょう。何となくできそうですよね。

もちろん薪を買ってしまえば何の苦労もありません。ただし、ストーブの使い方にもよりますが1日の薪消費量は2~3束。1束500円として、ひと月3~4.5万円...。ワンシーズンで計算すると、けっこうな出費になってしまいます。 一方、玉切りの生木なら価格は薪の半額ぐらい。斧を買っても充分お釣りがきますね。薪ストーブを設置する前の年に薪割りを始めてストックしておけば、乾燥も進み好都合です。薪ストーブのある暮らしを思いながら薪を割るのも、楽しいものですよ。

玉切りからの薪割りのもう一つの利点は、多くの道具を必要としないことです。まずマストアイテムが斧、ぜひ欲しい薪割り台、そしてあると便利な楔数本です。ネット販売も便利ですが、長く使う道具なので、できるだけ実物を見て選んでください。

斧の選び方 薪割り台 楔イメージ

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北欧の森林について

パソコンやスマートフォンで簡単に地球の航空写真が見ることが出来る昨今、日本列島を見てみると何色に見えるでしょうか。とても深い緑に覆われていることに気付くでしょう。そしてもっと宇宙側からユーラシア大陸全体を眺めてみるとヨーロッパの緑もとても深い事に気付きます。日本もヨーロッパも森に覆われている証拠です。
地球全体の森林面積は国連食糧農業機関(FAO)の2011年統計で約40億3000万haあります。地域別では森林率(国土に占める森林の割合)で世界一位のフィンランド(72.9%)世界二位スウェーデン(68.7%)を有するヨーロッパが約10億haで一番森林が多い地域です。一方日本は森林率68.5%で北欧の国と引けを取らず世界三位の森林大国です。
もう一つ木材の自給率という指標があります。北欧の森林大国フィンランド、スウェーデンでは約130%で大きく100%を超えています。一方日本の自給率は約25%とその多くを外国から輸入しています。薪の生産量で比べるとフィンランドは日本の1000倍、スウェーデンは600倍と驚異的な差があります。国土の7割近くが森林で覆われていながら、これほどまで森の恵みを利用していない国が日本なのです。北欧と日本の森、一体何が違うのでしょうか。

「森と湖の国」と呼ばれているフィンランドの森は約9割がマツとトウヒなどの針葉樹で覆われています。気候には四季があり針葉樹も多いという点で日本ととても環境が似ています。同じような環境で木材自給率が大きく100%を超えてフィンランドの森資源の活用方法は日本でも参考になるのではないでしょうか。 フィンランドは伝統的に国全体で自然保護、生物多様性の理念を受け継いでおりエネルギー政策においても環境目標への合致が最重要課題となり、エネルギーと経済は環境保全を大前提としてすすめられています。北欧はイメージ通り厳しい冬期の暖房用エネルギー需要が大きく、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を使用しそれらは日本同様輸入に依存していますが、国内資源の開発と省エネルギーの推進でバイオマスを中心とする再生可能エネルギーの利用拡大が積極的に図られています。エネルギー全体の再生可能エネルギーの割合を今の約2割から2020年までに38%を目標にしています。積極的な再生可能エネルギー政策により森の資源、木質資源においても効率的なシステムが構築され現在は、森林の成長率の方が木材の生産量よりも高まり、木質バイオマスの供給は常に安定しています。 つまり国全体でバイオマスを中心に再生可能エネルギーを重要なものと考え、その考えは国民一人一人に根付き、研究機関、民間企業を巻き込みながら積極的に推し進めています。森を育て、樹木を切り、そして燃やしエネルギーに変える、そこで出た二酸化炭素がまた森を育てる。この「森と生きる」理想的な再生サイクルを見事に実現させているのがフィンランドです。またフィンランドのみならずスウェーデン、デンマークなどの北欧諸国でもバイオマスエネルギーの積極的な展開を見せています。

日本にもたくさんの森があります。戦後復興の中、「住宅木材の供給を滞らせてはならない。」と積極的に植林し森を育てに育てました、そして昭和35年には自給率約90%を誇りました。その後高度成長期に入り日本は世界第2位の経済大国にまでになりました。しかし経済的高度成長と引き換えに豊富な森資源を使われなくなってしまいました。安価な輸入木材の利用が拡大(建材への輸入材率は70%超)し、驚くほど多くの日本の森が間伐もされぬまま放置されています。 北欧の国々とは人口や経済の規模も大きく違います。しかし、やはり日本には大きな森があり、かつては自然とともに暮らしていたご先祖様に思いを馳せ、また化石燃料の枯渇問題や地球温暖化の問題も合わせ思えば、地球のために一人一人が森の資源について考えてみてはいかがでしょうか。そして私達が地球のためにできることを小さなことでもやってみませんか。

木によってこんなに違う、薪の特徴

薪は木の種類によって、炉にくべた時の火持ちや香り、煙、ヤニの
出方が違います。
薪作りの時に木の特長を知っておくと便利ですよ。

薪イメージ1
薪イメージ2

* スギ:火付きが良いので最初に使う焚き付け用におすすめ。
* マツ:火力は強いが煙が多いので初心者には不向き。
* ナラ:薪ストーブ愛好家からの人気が特に高い。爆ぜる音や上品な香り、火持ちの良さが特長。
* クヌギ:抜群の火力と火持ちの良さ、そして火の安定性が高い良材。
* カシ:薪の王様とも言われ、熱量も火持ちも抜群。備長炭の原料。
* クリ:燃やすと「パン、パン」と大きな音を立てるので、音を楽しみたい時に。
* リンゴ:火持ちの良い木。何より香りが高いのが自慢。
* ウメ:固いので燃料に最適。割りやすい。
* サクラ:香りがとても良く、女性ユーザーに人気の薪。
* シラカバ:火持ちは悪いが、生木でも燃えるほど着火性が高い薪。

家の中でゆったり過ごすというイメージが強い、薪ストーブライフ。でも約半年、毎日使い続けるストーブのランニングコストを抑えるためには、薪の調達というアウトドア系DIYが必須です。

「薪は私達を何度も暖めてくれる」とは、昔の人の名言。薪作りは体力が物を言う作業です。まず丸太を運び出して長さ40cm程度の玉切りにし、生木のうちに薪割りして束ねたものを積み上げて...。薪は、1~2年の間積み直しながら充分に乾燥させることで、ようやく炉で燃やせるようになる燃料です。そもそも無料、もしくは安価で丸太を入手するためには、造園業者さんや植木屋さんなどと普段から良い関係を築いておく必要があります。それに、いただいた丸太は自分で運ぶわけですから、トラックを貸してくれたり一緒に荷積みしてくれる、薪仲間も欲しいところ。薪の調達は、単に買ってくるだけでは絶対に得られない、広い世界を創り出してくれるはずです。

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